フリクションフィルム: パッドとローター間の摩擦流動層
トランスファーフィルム: ローター表面の移着層
多かれ少なかれ、ブレーキはローターにトランスファーフィルムが形成され、パッドとローターが接触した時にできるフリクションフィルムのせん断応力によって減速力が生み出されている。また、フリクションフィルムとトランスファーフィルムのおかげで
パッドとローターの磨耗が抑えられる。そうでなければ数万kmも持たない。
フィルムのでき具合はパッドの種類によって違う。
低温低速を重視したパッドでよく見られる特性として温度が上がるとフリクションフィルムが厚くなってμが下がり、滑って効きが悪くなったように感じる。さらに温度が上がるとパッド表面が炭化し、せん断応力に耐えられず引き剥がされていくことで磨耗が急激に早まる。
逆にサーキット専用の高速高温を重視したパッドは低温でフィルムが形成されにくいため、パッドやローターが磨耗しやすくなる。本来得意とする高速高温で使うとフィルムが形成され磨耗が抑えられる。摩擦材の耐熱温度が高いため炭化しにくく、長持ちする。
低温から高温までμの変動が少ないパッドは非常に難しい。ここで参考になる研究発表記事があった。
摩擦係数安定銅フリーブレーキパッド 日立化成
http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/report/059/59_tr08.pdf
銅の代わりに黒鉛と融点が低い種類のチタン酸塩を使うそうな。500℃になってもローターの鉄成分がフリクションフィルムに入りにくい、つまりローターが磨耗しにくいということ。フィルム成分が安定するため温度変化してもμが変化しにくい。ただ、その代わりに黒鉛由来の黒いダストが多く出そう。
奥深きブレーキの世界...。


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