雪道での急ブレーキ

2023年5月11日木曜日

スキル 安全

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雪道で急ブレーキなんて言ったら即「危ない!ダメ!」と返ってきそうな気がするんですが、今回はそんなタブー視される雪道での急ブレーキについてのお話。

滑りやすい雪道の運転ではスリップしないためにブレーキは普段よりだいぶ手前からじわっと効かせるのが大事なのは大体みんな分かっていると思うんですが、本当に危険なシーンに遭遇してしまった時には躊躇なく全力でブレーキを踏み晒すべし、ってのは驚くほど理解されてないんですよね。

どうも皆さん、乾燥路面ではもちろん、雪道では特にブレーキを強く踏むことは問答無用でダメだと思い込んでいるみたいですね。これは本当に良くない。もちろん、普通に運転している時はABSが作動しない程度の緩い減速で済むような安全運転をするのが前提ですが、雪道はドライ路面と比べると状況の振れ幅がけた違いに大きいので、どんなに慎重に安全運転していてもABSが作動するような急ブレーキを踏まざるを得ないシーンに遭遇する可能性は結構高いです。なので雪道でもしっかりとブレーキを踏み込むことは必須科目のはずなんですが、急ブレーキがタブー視されているが故に躊躇して踏み込めない、踏んでもパニック、となってしまう。

私が思うに、ABSが効いたら止まらなくなるという都市伝説が邪魔しているんではないかと思っています。この都市伝説は何となく車に詳しい人が信じている傾向。さらにタチが悪いことにそんな人が嘘を周囲に吹聴するので広がっていっちゃう。

「雪道はフットブレーキで減速してはいかん!エンジンブレーキを使うべし!」
「ABSをぎりぎり効かせない踏み方が一番止まる」

と親切にアドバイスしてくれる人が身近にいたら、その方は都市伝説を信じてしまっている人なんだな~と思って優しくスルーしてあげてください。

実は逆なんですよね。

「ABSが作動したから止まらない」じゃなくて、「止まらないからABSが作動している」です。

「止まらないから」というのは、路面が滑りやすくて物理的にタイヤが発揮できる制動力の限界が低いということ。タイヤがロックしてしまうと止まらない&曲がらない状態になってしまうので、ABSがスリップ率を20%程度に維持することでタイヤから最大限の制動力を引き出しつつ車の動きを安定させ、ある程度ハンドルが効く状態を作り出してくれます。ABSはハンドルの効きを確保するために制動力を犠牲にしている訳ではありません。ここ誤解されやすいポイントなので繰り返しますが、ABSはハンドルの効きを確保するために制動力を犠牲にしている訳ではありません。

詳しくはタイヤの力学になってくるので割愛しますが、スリップ率20%というのは制動力がMAXで発揮され、曲がる力(横力)も普段よりだいぶ劣るもののある程度発揮できるゾーン。ブレーキペダルを強く踏み込むだけでそのゾーンをキープしてくれるのがABSです。その状態からほんの少し踏み込む力を弱めていくと、制動力は弱まり、代わりに曲がる力(横力)が増えていきます。

なので、ちょっとでも早く、手前で止まりたい緊急事態であれば、躊躇なく思い切りブレーキペダルを踏み込み続けることです。

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