トップガンの極超音速機を考えてみた

2023年5月6日土曜日

メカ

t f B! P L


映画 トップガン マーヴェリック の序盤に登場した極超音速機、 ダークスターってすんごいかっこいい。かのスカンクワークスがデザインしたというのだから納得。
この極超音速機について考えてみた。

極超音速飛行する高度は30kmくらいのはず。高度30kmは気圧が平地の約1/100なので空は真っ黒で眼下には青い大気をまとった地球が見えるというほぼ宇宙と言っていい景色。ただ、劇中では空が青く、ずっと低い高度に見える。これはおそらく絵的に空を飛んでいる感じを演出したかったからかな。

高高度を飛ぶ理由は空気抵抗を低く抑えるため。普通の飛行機が飛ぶ高度を極超音速で飛行するのはまぁ無理でしょう。空気抵抗は速度の2乗に比例して大きくなるのは音速以下の話。速度に2乗だけでも大変なのに、超音速になると造波抵抗が加わるのでさらに厳しくなります。そんな超強大な空気抵抗に負けない推力をエンジンは発生させる必要がある。仮に実現できたとしても、そんな推力を発生させるために必要な燃料消費率はまた凄まじいものになるので、燃料タンクはあっという間に空っぽになるでしょう。また、強烈な空気抵抗で機体が壊れないよう頑丈に作る必要もあります。さらなる問題は空力加熱。

空力加熱は空気の断熱圧縮で起きる現象ですが、空気密度の高い低空では凄まじい熱量となるので、おそらく金属では全然ダメで、スペースシャトルのような断熱タイルが必要になるのではないかと。という諸々の要因のため、極超音速飛行が成り立つ高度は30kmくらいになるっぽい。

ダークスターのエンジンはアフターバーナー(AB)付きのターボジェットとスクラムジェットを切り替えられるようになっていて、劇中でこの切り替えシーンが登場している。スクラムジェットは取り込んだ空気をラム圧で圧縮するところまではラムジェットと一緒だが、ラムジェットは燃焼室までに亜音速流にしてから燃焼させるのに対し、スクラムジェットは超音速流のままで燃焼させる。スクラムジェットが作動できる速度は調べてみたらマッハ4以上っぽいのだが、AB付きターボジェットエンジンだけではマッハ4まで到達できない。アクション映画なので端折っているけれど、手段はふたつ。ひとつめはスクラムジェットの前にラムジェットモードを備えるデュアルモードラムジェットエンジンであること。もうひとつは高高度からダイブで加速すること。NASAでは実際にデュアルモードラムジェットを開発し、飛行試験をしてきているそうな。

機体形状は極超音速で発生する衝撃波から揚力を得るウェーブライダーになっていると思われる。高高度で空気が薄いとはいえマッハ10を目指すためには前方投影面積を小さくして抵抗を減らす必要がある。かつ、非常に薄い空気で揚力を得る必要があるので必然的にウェーブライダーとなる。

このブログを検索

QooQ